前立腺肥大症とは
前立腺とは
前立腺とは、膀胱の真下にある男性の生殖器のひとつです。前立腺では前立腺液が分泌されていていますが、前立腺液は精液の一部となって精子にエネルギーや栄養を与え、卵子と受精しやすくする働きがあります。
前立腺肥大症とは
前立腺は加齢に伴いだんだん大きくなりますが、前立腺が大きくなること自体は病気ではありません。前立腺が大きくなって生じるさまざまな尿トラブルのことを総称して、「前立腺肥大症」といいます。
当院では、がんではないことを確認したうえで、患者さんが前立腺肥大症によって困っている症状を、改善することを治療のコンセプトにしております。
前立腺肥大症の原因
前立腺が大きくなると、尿道や前立腺の真上にある膀胱を圧迫するようになります。すると、頻尿になる、急にトイレに行きたくなる、我慢できずにもれてしまう、尿の勢いが弱くなるなどの尿トラブルが起こります。
前立腺肥大症を放置するとどうなる?
トイレのことが気になって外出や旅行ができなくなり、引きこもりがちになってQOL(生活の質)が低下してしまいます。
当院での検査方法
超音波検査や血液検査、尿検査などを行います。
さらに詳しく調べるために、直腸内指診や尿流測定、残尿測定などを行うこともあります。
当院での治療方法
内服薬による治療がおよそ90%を占めます。
数年にわたって服用することになるので、症状が出ないようにするためには、根気強く飲み続けることが大切です。
前立腺がん
前立腺がんとは
前立腺にできる、がんのことを「前立腺がん」といいます。
前立腺肥大症との違い
前立腺肥大症も前立腺がんも、前立腺が大きくなることによって引き起こされる病気である点では共通していますが、前立腺がんは前立腺肥大症と違って、周辺の臓器や骨に転移する能力を持っていることが大きな特徴です。
当院での検査方法
超音波検査や、PSA検査、前立腺の大きさや硬さで診断します。
PSA検査とは
PSA検査とは、前立腺にまつわる疾患の発生や再発を早期発見するための検査です。
前立腺がんの腫瘍マーカーとしても、重要な働きを持っています。
PSA値とは
PSA値とは、前立腺から精液中に分泌されるたんぱく質の量のことを指します。
一般的に健康な人の数値は2mg/mlとされていますが、前立腺の肥大によって数値が多少高くなることもあり、4mg/mlが標準値とされています。
PSA値は精度が高い腫瘍マーカーではありますが、PSA値が高いからといって、それだけで「がんの疑いがある」といえるわけではありません。逆に、PSA値が低くてもがんのリスクが全くないとは限らないのです。
そのため、がんであるかどうかを判断するには、PSA検査だけではなく、複数の検査の結果を見て判断することが大切です。
どれくらいの頻度で受けるべき?
標準値ぎりぎりの方であれば半年に1回の検査が必要ですが、標準値を大きく下回っている方であれば2~3年に1回で構いません。
平均して、1年に1回検査を受けておけばよいでしょう。